アスリートが時間と場所を越えて“稼ぐ”ための最短ルート、それがWebスキル。
「競技を続けたいけれど、お金がない」 「引退した後、自分に何が残るのか分からない」
多くのアスリートが抱えるこの普遍的な悩みに対し、本人の経験からアスリートにWebスキルを伝える活動をしているのが「株式会社La plus」代表、葛西恭平だ。
「アスリートこそ、Webスキルを身につけるべき」。 なぜ、スポーツの世界で生きてきたアスリートに、デジタルのスキルが必要なのか。そして、アストビが描く「アスリートが輝き続ける社会」とは。その戦略とビジョンの全貌を語ってもらった。
プロフィール:葛西 恭平(かさい きょうへい) 株式会社Laplus代表。 自身も経済的な理由で競技を断念し、知人でも引退後のキャリアに悩む現状を目の当たりにする。「アスリートのライフスタイル×Webスキル」の可能性に着目し、自身が経験してきた場所や時間に縛られずに収益を生み出すWebスキルをアスリートに体験してもらうため、キャリア支援事業「アストビ」を設立。
「競技か仕事か」その二者択一を終わらせるために
──まず、アストビを立ち上げたきっかけを教えてください。
葛西: 単純に、「もったいない」と思ったんです。 私の周りにも素晴らしい身体能力と、尋常ではない努力ができる才能を持ったアスリートがたくさんいました。でも、彼らの多くが「遠征費が稼げないから」とか「フルタイムの仕事と練習が両立できないから」という理由で、夢を諦めていく。
──「お金と時間」の問題は、アスリートにつきものですね。
葛西: そうです。既存の仕事の多くは「場所」と「時間」に拘束されます。合宿に行けばアルバイトは休まなければならない。でも休めば収入はゼロになる。この構造を変えない限り、アスリートはいつまでも「競技か仕事か」の二者択一を迫られ続けます。
そこで目をつけたのが、パソコン1台あればどこでも仕事ができる「Web業界」や「在宅ワーク」のスキルでした。これなら、海外遠征先のホテルでも、ケガのリハビリ中でも、価値を生み出し続けることができますから。
アスリートの「PDCA力」は、Webマーケティングそのもの
──しかし、「体を動かすプロ」であるアスリートと、デスクワークであるWebスキルの相性は悪いのでは? という声も聞こえてきそうです。
葛西: それは完全な誤解ですね(笑)。むしろ、アスリートほどWebマーケティングに向いている人種はいません。
──それはなぜですか?
葛西: Webでの仕事、特にSNS運用やマーケティングに必要なのは、センスではなく「検証と改善(PDCA)」だからです。
アスリートは毎日、「なぜ今日はタイムが出なかったのか?」「フォームのここを修正したらどうなるか?」と、自分自身を実験台にしてPDCAを回し続けていますよね。 この思考回路を、そのままWebにスライドさせるだけなんです。「なぜこの投稿は反応が悪かったのか?」「画像を変えたらクリック率が上がった」。やることは競技と同じです。
アストビでは、彼らが無意識に行っている「努力の型」を、Webという新しいフィールドのルールに変換して教えているだけなんです。
目指すのは「インフルエンサー」ではなく「稼ぐ実業家」
──アストビでは、具体的にどのようなスキルを重視していますか?
葛西: 大きく分けて2つです。一つは「SNS運用によるブランディング」、もう一つは「Webライティングや実務スキル」です。
ここで誤解してほしくないのは、私たちは単に「有名になろう」「インフルエンサーになろう」と教えているわけではないということです。「フォロワー数」はただの数字に過ぎません。重要なのは、その影響力をどうやって「信頼」に変え、企業への貢献や自身の収益という「価値」に変えるかです。
──「影響力」と「ビジネス」を繋げる部分ですね。
葛西: その通りです。ただチヤホヤされるのではなく、企業から「あなたに任せたい」と言われる実務能力と社会性を持ったアスリートを育てたい。 だからこそ、アストビではマーケティングの基礎知識や、企業とのコミュニケーション、納期の厳守といった「ビジネスマンとしての足腰」を徹底的に鍛えます。
アストビが、企業の「CSR」と「利益」を両立させる
──企業側がアストビ出身のアスリートに仕事を依頼するメリットは何でしょうか?
葛西: 企業にとっては、「優秀な人材確保」と「社会貢献(CSR)」が同時にできる点が最大のメリットです。
目標達成意欲が高く、自己管理ができるアスリートにSNS運用や業務を任せることは、ビジネスとして非常に合理的です。それに加えて、「夢を追うアスリートを雇用・支援している」という事実は、企業のブランドイメージを大きく向上させます。
アストビは、アスリートを「支援されるだけの存在」から、企業の成長を加速させる「ビジネスパートナー」へと変えていきます。
アスリートの皆様へ。「根性」を正しい「武器」に変えよう
──最後に、この記事を読んでいるアスリートへメッセージをお願いします。
葛西: 皆さんが持っている「粘り強さ」「目標への執着心」「素直さ」。これはビジネスの世界でも喉から手が出るほど欲しい才能です。ただ、今まではその才能を活かすための「道具(スキル)」を持っていなかっただけ。
バットを持たずに打席に立ってもヒットは打てません。Webスキルという最強の道具を手に取ってください。場所にも時間にも縛られず、競技も人生も全力で楽しむ。そんな「新しいアスリートの生き方」を、アストビと一緒に実現しましょう。
【編集後記】 「アスリートのセカンドキャリア」という重い課題に対し、「Webスキル」という極めて現代的かつ合理的なアプローチで挑む葛西氏。その言葉の端々からは、アスリートへの深いリスペクトと、ビジネスとしての勝算への自信が感じられた。アストビは、スポーツ界とビジネス界の壁を壊す、重要なハブになっていくだろう。

